Google Home と2ヶ月間暮らして良かった試みと悪かった試み
2017年の年末に Google Home を購入して以来、約2ヶ月いろいろな活用方法を試してみました。生活が便利になって使い続けているものもあれば、微妙ですぐに使うのを辞めてしまった試みもあります。この記事では試した内容と、良かった度合いを5段階評価で紹介していきます。 紹介する活用例は IFTTT を使ったり、 Google Apps Script を書いたりすることが必要なものもあります。その辺の技術的な情報は気が向いたら Qiita に書いていこうと思います。
仕事効率化系
私はオフィスの無いフルリモートワークの会社で働いているため、自宅のワークスペースで仕事をしています。Google Home はワークスペースの机の上に設置しており、家で仕事をしている時はいつでも Google Home を使用することができる環境です。
仕事ログの可視化 評価:2
私は以前から仕事において何にどのくらい時間を使ったか、可視化するようにしていました。 もう少し具体的に書くと、1日のスタートに今日やることとそれぞれにかかる時間を見積もり、終了後に振り返りをするようにしています。ノートで手書きで管理したり、Google Calendar やレスキュータイムなどのタイムレコードアプリを使ったり、いろいろと試してみましたが、いちいち実績を記録するのを面倒に感じていたので、スマートスピーカーに管理してもらうようにしてみました。
利用方法は簡単で、仕事を始める時に「OK Google, これから◯◯を開始」と言うだけです。 これだけで、何時に何の仕事を始めたのかが Google Spreadsheet に記録され、1日の仕事を終えたタイミングで以下のように1日の時間の使い方をグラフで表示してくれます。
運用開始した時はなかなかイケてる気がしましたが、3日くらいで辞めてしまいました。 入力するのが面倒だったり、入れ忘れると正確に計測できなかったり、予実比較がしにくかったり、他のタイムレコードツールで直面したものと、全く同じ問題が起きました。結局のところ入力インタフェースの問題ではないのだと思います。
勤怠管理マネージャー 評価: 3
仕事ログの可視化に近いのですが、会社の勤怠管理を Google Home に任せてみました。
このように Google Home に喋りかけると、Slack で他の社員にも勤怠をお知らせしてくれます。
現状の問題点としては、会社で利用しているクラウド HR システムと連携していないため、結局は手動で入力しなければならないことです・・・。Slack に出社・休憩・戻り・落ちますとメモを残しておくのと変わらないですね。とはいえ、都度 Slack に打ち込むより楽なので結構気に入っています。 今年に入ってクラウド HR システムの API が公開されたようなので、連携部を実装していこうと思います。
読書メモ 評価: 1
本を読んでいる最中に、「ここは大事だ!」と思った時にメモに残しておきたいことがあります。 これまではスマホを開いてノートアプリに入力していましたが、本を読む動作とスマホを切り替える操作が面倒くさい・・・。そんな問題を解決したくて始めた試みです。 メモを残したい時に「OK Google, 読書メモ、◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯(メモの内容)」と話しかけると、Evernote にメモしたフレーズが記録されるというシンプルなしくみです。
運用開始後、1時間で使うのを辞めました。 イマイチな理由は2つあります。
1つめは、文字数制限が厳しいことです。 25文字くらいが限界なようで、少し長い文言を喋りかけると Google Home が「すみません。よくわかりません。」と返してくれます。更に要約されることを強要されたり、繰り返し言わなければならないのが物凄いストレスでした。
2つめは、変換の精度がよくないことです。 運動について調べ物をしていた際に、 「体を動かすことによって疲労を取り除くこと」というメモを残したら、 「体 を 動かす こと によって 給料 を 取り除く こと」と記録されました。 給料を取り除かないでくれー!! また、半角スペースが途中に含まれてしまうので、テキストを再利用するにも一手間加えなければなりません。
Google Home による読書メモ自体は最悪のユーザー体験だったのですが、思わぬ副産物もありました。 それは、 iPhone の音声入力がとても優秀なことに気付いたことです。 今までそれほど音声入力を使っていませんでしたが、慣れればキーボードより早いので今後積極的に活用して行こうと思います。
おうちハック系
続いては、Google Home のおうち利用編です。 我が家の Google Home はワークスペースに1つあるのみですが、リビングルームからでも問題なく動作してくれます。
電気の ON / OFF 評価: 5
Google Home と家の電灯を連携してみました。 家の電灯はスマートホームに対応しているものではないため、IRKit を使って連携させています。
「OK Google, 電気をつけて」で点灯。 「OK Google, 電気を消して」で消灯。
といったシンプルな操作です。 至ってシンプルなのですが、やっぱりシンプルが一番。 完全に家族の生活に溶け込んでいます。 電灯のリモコンが見つからなくて困ることも無くなりとても快適です。 少し未来の家は音声で電灯を制御するのが当たり前になるのではないかと思います。
ルンバの掃除命令 評価: 2
「OK Google, ルンバを使って掃除を開始して。」と喋りかけるとルンバが掃除を開始してくれる、Google Home の標準機能です。 最初は喋りかけた時に掃除を始めてくれて「すごい!」と思いましたが、実際の所それほど便利ではありません。そして、ボタンを押すのと同様にルンバの起動を忘れてしまう問題が発生します。 結局のところ、ルンバはスケジュール起動させることにしました。時々イレギュラーなミーティング中に「ててーててーー♪」とルンバの起動音が鳴ってしまいますが、すぐに止めれば良いだけなので、全く困っていません。
よく使っているデフォルト機能
ここまでは少し応用的な Google Home の活用方法を紹介しましたが、基本機能でよく使っているものも紹介しておきます。
まずは、目覚まし機能です。「OK Google, あした 8 時に起こして」と言うとアラームをセットしてくれます。少し前までは、アラームを止める際の反応がすこぶる悪くてストレスフルだったのですが、改善されてとても使いやすくなりました。
次は、定番ですが天気機能です。特によく使うのは「OK Google, 今の気温は?」です。「◯℃です。」と即答してくれます。天気は窓の外を見ればわかりますが、気温まではわからないので、Google Home に気温を訪ねてから着る服を選ぶようにしています。
最後に、音楽再生です。 Google Play Music をトライアル契約していますが、「ちょっと BGM が欲しい」くらいの時にとても便利です。私の場合、それほど曲目にこだわりが無いので、いい意味で適当に流してくれるのはとてもありがたいです。
スマートスピーカーへの感想
以上、スマートスピーカーと2ヶ月間暮らして良かった試みと悪かった試みを紹介しました。 スマートスピーカーを使っていて一番驚いた点が、ITゴリゴリでない家族からのウケがとても良いことです。 普段はガジェットを買うと「また意味分からないもん買って〜」みたいな扱いで、家族が使うことはあまり無いのですが、スマートスピーカーは家族にも受け入れられ、使われています。 会社で開催されたスマートスピーカー座談会でも、所帯持ちの家庭の方がスマートスピーカーを活用している意見が多く出ていたので、私の家庭に限った話では無いようです。 今後、スマートスピーカーがどのように私達の暮らしを変化させていくのか楽しみですね。